出会い系サイトで知り合った子は、駅での待ち合わせに5分だけ遅れてきた。


「あ、キミが……」


「ええ、そうです」


伝えてきた通り、黒のワンピース姿で、クマのぬいぐるみを抱えて待っていた。


「じゃあ、とりあえずカラオケにでもいこっか。歌は歌える?」


「はい、大好きです」


「それはよかった。えっと、ここから近いカラオケボックスは……」


「あ、えっと……」私はスマホを取り出した。


「ここ、ですかね?」


「あ、うん。そこだ」