兄が放ったその言葉で私は昔をふと思い出した。 昔もそうやって私のことを気にかけてくれていた。 涙目でぼやけるけど兄の表情は困ったような顔をしていて、悲しい、後悔を映した瞳だった。 涙が止まり、兄とこれからのことを相談しよう。 そう思い、兄の方を向いた瞬間、 プルルル-プルル-プルルル ……兄の電話だ。