別に急がなくてもいいのに。



そう思いながら家の中に入る私。



次に兄が入ってきた。



おっと、言わないとね。




『…お帰り。…彗』

ニコッと効果音が付きそうな笑顔で私は兄…彗に向かって放つ。



家に帰って来たらまずはこれを言わないと。




そして、応えるように


           レン
「…あぁ、ただいま。…恋」



最初、驚いたような顔だったのが嘘のように優しい笑顔で私に言ってくれた。