『風花に電話しても電源入ってないとかアナウンス流れるから、本当焦ったんだよ?神宮寺君からメッセージくれたのはもっとびっくりしたけど』

「よっぽど私がヤバい人に見えたんだろうね。人混みから助け出してくれたんだけど」

『そっかー。ラッキーだったね、風花』

「本当、神宮寺君に助けてもらわなきゃ私、美術部で孤独になってたかも」

『アハハ、そんなわけないでしょ』

「神宮寺君がちなみちゃんの連絡先知ってて良かった……」


……って、あれ?

神宮寺君、何で私が美術部だって知ってるんだろう……?

名前だけじゃなくて、所属している部活まで、何で……?


『そういえば神宮寺君、マネージャーと歩いてるの見かけた。前から噂あったけど、付き合ってるみたいだね』

「……そうなんだ」


あの電話の後、マネージャーである彼女とお祭りに行ったんだ……。

ズキッという胸の痛み。