一言多いよ……と心の中で毒づきながら、小さくなっていく彼の背中を見つめていた。

スマホの画面に表示された名前は、サッカー部のマネージャーのものだった。

部活中もかわいいマネージャーとよく二人で話している姿も見たことがあるから、わかってた。

花火にどんなに願っても、この時間はすぐに終わりがくるって事。

でも……。

神宮寺君にとっては、花火のように終わったら静まってしまうこの日の出来事かもしれないけれど、私にとっては人生最大の奇跡だったから。

……だから、勝手に想っていてもいい?




『もう、本当にびっくりしたよー。振り返ったら風花(ふうか)いないんだもん』

「ごめんね、本当に。私も焦っちゃった。スマホのバッテリー切れてたし」


家に帰り、スマホをすぐに充電し、お風呂からあがってちなみちゃんに電話をした。

どうやら美術部のメンバーも私がいなくなった事に気付いて、慌てて探してくれたらしい。