「えっ?じゃあ、部活中によく二人でいたのは……」

「全部、恋愛相談。けどそれで去年はよくマネージャーと俺が付き合ってるんじゃないかって聞かれたんだよな」


そうだったの?!

じゃあ、最近一緒にいる人が、マネージャーの彼氏……?


「まあ、上手くいったから良かったけど」

「そうだったんだ……」


マネージャーが彼女じゃなかった事にホッとする。

……ホッとしたところで、私が彼女に昇格できるわけじゃないんだから。


「……ところでさ」

「うん?」


何か言いたげな表情で、少し目線をそらす神宮寺君。

不思議そうに聞き返すと、彼はポスターを指さした。


「もし良かったら……一緒に行かない?」

「……えっ?」

「今度は、迷子になんかさせないから」


花火にかけた願い事は無駄じゃなかった……?

これは再び私に起きた奇跡。

彼がどういうつもりで誘ってくれたのかはわからないけれど、今度は勇気を出してみよう。

花火が終わる前に、好きっと伝えられるように。