『まあ、そうだよね。あんなにカッコよくて性格いい人が彼女いないなんて、ないよね』

「……うん、本当にそう」


本当にそう。

一度も関わった事がないのに、私の名前も所属してる部活も知っていたのは、きっと何かの偶然。

特別な物じゃないってわかってる。


『じゃあ、また来週の部活で』

「うん、今日はごめんね」


ちなみちゃんとの電話を終えて、スマホを机の上に置く。

花火は終わってしまったけど、きっとこれからも花火を見るたびに願いをかけるだろう。





……いつか、この想いが届きますようにって。