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「ねぇ、本当に花火大会来ないの?」



クーラーの効いた部屋でノートを広げた春音は一向に進まない課題を放り出して言った



「うん、今年はいいかな」



対してめんどくさいことは先に終わらせたい主義の私はやることも無く、汗をかいたグラスに口をつけて喉を潤す


夏休みの終わり、課題に追われた春音が私の部屋に来るのは毎年のことで



「えー高校最後の花火大会だよ?
最後の夏だよー?」



一緒に行こうよーと子供みたいに駄々をこねる春音は自分の状況になんの危機感もないらしい



「春音だって課題終わらなかったら行けないでしょう?
喋ってないで、ほら、手を動かして」



「うっ………鈴のおにー…」



しぶしぶペンをとった春音を見てまったく、と息を吐く


私がいなかったらどうするつもりだったの…

毎年のように泣きつかれるから予定を入れていなくて正解だったよ