(前回の最後の回想・透夏のモノローグで)


 どうしてこうなったのかと言えば、思いだすのは朔夜くんと仲直りした日の夜。
 雪ちゃんから来た一通のメールから始まった。


 雪ちゃん【こんばんは、元気にしてる~? 連絡先教えてくれてありがとうね!】
 雪ちゃん【突然なんだけど、今度一緒に遊びに行かない?】


 友達の少なかった私にとって、初めての遊びの(さそ)いだった。
 それにお母さんとの和解(わかい)後、専門に行くために貯めていた貯金も自由に使えばいいと行ってもらえていたので断る理由がなかった。

 私は、嬉しくてすぐに返信をした。


 透夏【誘ってくれてありがとう! ぜひ!!】
 雪ちゃん【ほんと~? 嬉しい! じゃあどこか行きたいところってある~?】


 透夏「行きたいところかぁ……」


 基本的にアミューズメント施設(しせつ)などは行ったことがなかった透夏だが、パッと思いついたのは遊園地だった。


 透夏【遊園地はどうだろう?】
 雪ちゃん【いいね! でもわたし、行ったことないんだよね~。透夏ちゃんはある?】

 透夏【私もないや……】
 雪ちゃん【あっ、じゃあ朔夜も誘いなよ。あいつ、確か何回か行ったことあるって言ってたはずだし~。わたしも誠二郎連れて行ってもいいかな? ダブルデートってことで!】

 透夏【それはもちろん大丈夫だけど……朔夜くんが遊園地なんて来るのかな?】
 雪ちゃん【大丈夫~! あいつは透夏ちゃんに誘われたら断らないって】

 透夏【そ、そうかな? じゃあ誘ってみるよ】


 (回想終了)

 という訳だ。