「とうちゃーく!」


「お、可愛い子つれてるねぇ彼氏さんかい?」


「まぁ、そんな感じかな!おじさん、かき氷2つ!」


「あいよー!」



夏の定番 かき氷。
あれから私は彼、古坂日向くんと1日カップル…?の約束をして一緒に屋台を回ることになった。


次来る言葉をなんとなく期待して、今ここで断らなければ本当に後悔するかもしれない、と思考を回した挙句、結局は期待に負けて良いことがある可能性の方に賭けた。


…にしても、
俺に夢見させると思って、一緒に回ってください
なんて、上手な誘い方。自分のためだと思うと頷きにくいけど「俺のわがままに付き合って」なんて言われたら断れるわけがない。

もちろん、嬉しかったのは事実。間髪入れず首を縦に振れば「本当に?!やった!!」と子供のように喜びを見せた。


そんな彼に…


「彩は何味がいい?」

「私はいちごにしようかな」

「りょうかい!」



ふっと心があたたかくなるのを感じた、なんて
私は単純すぎるかもしれない。