「おわっ!?」
ダダッダダッ!
「!」
突如近くに響いた大きな音に驚きに顔を上げ、辺りを見渡してみる。するとちょうど私が躓いたのと同じ段差に引っかかったであろう男の子が地面に手をつき倒れていた。
…いや、彼は転けたの方が正しいだろう。
「あっぶね…」
あぶね、っていう割には派手に転んでる気がするけど…
心配の声が飛び交う中、何事もなかったかのように立ち上がり砂を払う彼を見つめていると、ぱちっと目があって、お互いが静止した。
「…だ、大丈夫でしたか…?」
目を逸らすわけにはいかず、今1番適しているであろう言葉をかけてみる。
すると彼は少し間を置いて「問題ない!」と無邪気な笑顔を見せた。
その様子にホッとしたのも束の間、
一瞬彼の表情が歪んだ気がしたんだ。
「あ、あの…!」