夜空に花火が打ち上がる



ひゅるると音をたて一縷の光が宙を登る。

そして途切れたように姿を消し次の瞬間大きな花となる。


それを何度だって繰り返す。



色とりどり、形を変えて空というキャンパスに火花を散らす。



姿を消して上り詰めていく


人の目を掻い潜り予想もしない上空で蕾は大きな光を放つ




大きな花が夜空に咲いた。

見事に「満開」を魅せた花々に人は拍手を送っている。

あっという間に時計の針は一周した。

もう一周には届かず、半分のところで祭りは幕を閉じる。



まだ、咲きそびれた花があるのではないか。

そう信じて待ってみても、一向に花火は上がらない。


本当に、終わりを迎えてしまった。