「…っふ」
「…」
「ふふふっ」
「なっ…!何で笑ってんだよ!」
「ごめん、つい嬉しくって」
「嬉し…そ、そっか」
笑いを堪えるように両手で顔を覆う。
暗闇の外で笑うなって!と恥ずかしそうに訴える彼の声が聞こえる。
泣きそうだったと言うことを悟られぬため、何とか涙を抑えてはみるものの…
まだ彼のそばに居られる。
彼もこのままでいたいと思ってくれている。
その事実を噛み締めるだけで嬉しくて、どうしようもなく顔を隠してしまった。
「私、まだ一緒にいてもいいの?」
「…むしろ、俺のこと置いていこうとしてるのか?」
「まさか!」
不安が消えていく。あぁ、やっぱり彼のお誘いを受けて正解だった。普段の私だったら、怖くて仕方ない出来事だって乗り越えられてしまった。
それも彼のおかげだ。
「びっくりした!まぁいいや、そろそろ再開するか?」
「うん!」
まだ祭りは終わらない。後少し、彼とここで夢を見ていたい。
ずるい質問してごめんね、そして、ありがとう
引かれるその手に導かれ、私たちはまた煌びやかな世界へと紛れていった。