「ここまできたら大丈夫だろ。ごめんな走らせて」
「問題ないよ、でもよかったの…?」
「アイツら構ってると1日終わるからな」
いいやつらだから、心配いらないよ、そう言って
振り向いた彼の表情に、さっきの真剣な眼差しは消えていた。
「うまく逃げたってことで、少し休憩したらお祭り祭りデートを再開するか!」
「……あ、」
「…?」
勢いを取り戻した、と思えば硬直しその視線を辿れば繋がれた手の方へ。
「あ…、あぁー!!悪い、許可なく手繋いで引っ張って…!ごめ、いやじゃなかったか⁈」
いきなり大振り身振り、謝罪と動揺をこれでもかと見せる日向くん。気のせいか頬も赤く染まっている。
その身振りとは反対に、繋がれた手は離す様子も見せず、握る力は強くなっている。
…
「…い、いやじゃないって言ったらどうする?」
そんな彼の真意知りたくてずるい質問をしてみた。
「え、⁉︎」
明らかに動揺していのがわかる。次来る言葉に私は何を期待しているんだろう、?夏の陽気に浮かれているのかも。
…だって、こんなにあからさまな動揺と紅潮を見せられたら期待してしまうじゃない。
「っ…で、出来るならこのまま繋いでいたい」