「…なんて病気だよ、いや、そもそもなんで指先が散るんだよ!」
「あー、もういいや、朝飯作ろ。」
そのあとちゃんとトーストを焼き、黙々と口の中に入れた。その間に母さんはもう家を出ていたらしく、辺りを見回しても誰もいなかった。ちなみに父さんは他界。今更悲しさなんて感情は湧かない。


「いってきまーす、」
誰もいない家にそう吐き、日陰から日が当たる場所に足を踏み入れた。
「つか、桜散り病怖ぇな、ほんとにそんな病気あんのかよ…」
傍から見ればひとりで何かに対して嫌味を言っている変人。
「おーい、そこのボーイ!!」