話し始めてから少し違和感を覚えた。


お母さんってこんなにガッチリしてたっけ?



それにこの匂い……。


布団が邪魔をして前が見えない。



私は胸元の匂いを嗅いでペタペタと手で感触をチェックする。




違う……。お母さんじゃない……。



顔が青くなるのが自分でもわかる。


「この匂いは……」




急いでその人から離れて布団を頭からはがす。



そこには口を手で押えて硬直する部屋着の豹牙くんが立っていた。




そういえば鍵を忘れた時のためにお互い合鍵を持ってるんだった……。