豹牙くんの腕からの脱出を試みて軽く胸を押す。



あれ?身動きが取れない。


それどころか力が強くなった気がした。





逃がさないとでもいうように。




「豹牙くんは、どうして今まで恋人ごっこを続けてくれたの?」



私が1番知りたかったこと。



「豹牙くんは……迷惑だったでしょ……?」




引っ込んでいたはずの涙がまたこぼれ落ちる。


少なくとも中学3年生の頃には2人とも付き合っているのかどうか曖昧になっていた。



ずっと振られちゃうって思ってた。


恋人同士の関係よりも恋人ごっこのようなものに変わっていった。