私は泣き叫ぶように訴えた。



豹牙くんは驚いた顔を一瞬見せたけど、いつも通りの顔にすぐに戻る。



そして私をあやすようにもう一度抱きしめた。



「ごめん。突き放してるつもりはなかった。でも紬のことは誰よりも大切にしてる」



「……し、知らない。今日は、もう帰る」



今日の豹牙くんはいつもと違う。



余裕がなくて、少し変。


こんな状態で話しても意味がないことくらい私でもわかる。




……私も頭が混乱してる……。



まさか豹牙くんに大切にされてるなんて思ってもなかったから。



「最後に、ひとつ聞いてもいい?」



「何?」