目が熱くなって視界が滲む。



顔を見られたくなくて、咄嗟(とっさ)に逸らす。


「紬?」


「えっ……と、莉緒菜ちゃんとトイレに行ってから帰るから……、先に行っててくれる?行こ、莉緒菜ちゃん」


私は豹牙くんを無視して教室から出た。



「おい、紬!北野……!」



豹牙くんは困惑したように私と莉緒菜ちゃんを呼んだ。


ごめんね、豹牙くん。




トイレまで走ると状況を把握した莉緒菜ちゃんが私の頭を軽く撫でた。



「あの言い方は獅堂が悪い。けどね、獅堂はなんていうか……紬のことになるとポンコツになるから……ね?えーと……」


「ふふっ。励ましてくれてありがとう。でも冷たくされるとやっぱり悲しくなっちゃって……」