莉緒菜ちゃんの声で我に返る。



豹牙くんと離れたくないな……。


「帰り道に別れ話するの?」


コソッと私に耳打ちする。



私は静かに頷いた。


大丈夫。きっと元の関係に戻れるはず。



「紬、おまたせ」



莉緒菜ちゃんと話していると先生と話が終わった豹牙くんが近づいてきた。



「あ……、豹牙くん。話はもういいの?」



「大事な話でもないから。紬は?北野(きたの)と話終わった?」



「……うん」




どうしてだろう。


豹牙くんの言葉ひとつひとつが冷たく感じる。


誤魔化してきたけど、恋人同士になってからずっとこの調子だったのかな。