「俺、瀬戸山律(せとやまりつ)。よろしくな!」
そういった彼の姿が輝いて見えたのは、きっと幻覚。

高校1年生最初の学校、重い足をどうにか運んで着いた。けどクラス表を見た瞬間、絶望感以外何も無かった。
私の一人しかいない友達である、今隣にいる鈴歌(すずか)とクラスが離れてしまったのだ。彼女がいないと、私は誰とも話せない。話しかけれないし話に来る人もいない。特に理由はなく、だ。私は人と喋るのが苦手だし、とても暗い人と自負している。だから人を寄せつけないんだろうか。不思議である。
そんな訳で、私はどうしても鈴歌と同じクラスじゃないとどうしても無理なんだ。
わたしも2-Aになりたい。
奏音(かのん)そんなにショックな顔しないの〜。帰り道でも登校でも会えるでしょ?そこまでショックなことないって〜。」
「い、いやでも…私友達鈴歌だけだし…。みんなと仲良くなれないよ…。」
「大丈夫!奏音はとってもいい子なんだから、みんな仲良くしてくれるって!」
鈴歌にそう言って貰えるのは嬉しいが、それでもみんな近づいてくれないんだ。それに、コミュニケーション能力が低いし…。
「奏音の心配事はきっとすぐ消えてくれるよ〜。とりあえず、教室行こ?」
「うん…。」
そのまま私は流されるまま教室へ行き、絶望感によってボーッとしてる間になんか鈴歌と別れて教室に入っていた。
やっぱり、誰も来ないから友達作るの無理かな…。って思ってたところに隣の席の君が来て、そんな眩しい顔で言うから。
光って見えたのは、きっと幻覚。