8.私が作られた理由

 親戚の家で集まる機会があった
田舎特有の宴会のような集まりが苦手な私は叔母さんのいる台所を手伝って気を紛らわしていた
母はその集まりに来なかった
自分のペースを崩される事が嫌いで休みの日に家族が家にいるのも嫌がる
かなりマイペースな性格だったのでその日も親戚の集まりに行く気は無かったらしい

台所で叔母さんと他愛ない話をしていた
そのうち母の話が出てきた
叔母さんは小さい時から私の事を心配してくれる面倒見の良い人だった
母ついて悩んでいた事を何度か話をしていた
その日は母が卒園式や入学式などイベント事に全然来てくれないという話をしていた
叔母さんは少し言うか迷いながら話す
叔母「あのねコレはあなたがお腹に来る前の話なんだけどね…教会の先生方があなたのお母さんに女の子を産みないと言ってたの。
それを言われてしばらくしてあなたがお腹にきたのよ。
お兄ちゃんは自分達の意思だったみたいだけど
あなたは教会の先生に言われたから産んだようにみえていたの。
今まで黙っていてごめんなさい…」
母が信仰している教会は信者同士で結婚している人が多い
教会の先生の中に信者同士で結婚をさせるのが好きな人がいた
私の両親はその先生に言われた事をきっかけに結婚していた
おそらく女の子を産めと言ったのもその先生だろう
私が産まれる少し前女の子が全然産まれていなかった
将来的に信者同士で結婚させる事が難しくなると思ったから母に女の子を産めと言ったんだろう
その話を聞いた時私は母の今までの態度の意味がわかった気がした