お姉ちゃん達が産んだ4人の男の子達のことを教えてあげた。


「あの子達は私の股から生まれたけど、私達は愛花に生まれた時から預けてるダメな母親だから。」


「私達が育てるよりもあんた達2人に育てて貰った方が子どもも幸せだと思ったんだよね。
愛花に預けたらみっちゃんも絶対に一緒に面倒を見てくれることは分かってた。
やっぱり子どもにはお母さんとお父さんがいた方が良い。
みっちゃんの両親はみっちゃんの親だから、あの子達の親にはなれないから、私達に預けられる人はあんた達しかいなかった。」


「うん、私もみっちゃんも自分達の子どものように育てたよ。
大切に大切に・・・本当に大切に育てたよ?」


「感謝してる、本当に。」


初めて誰かにそんな言葉を言ったであろうお姉ちゃんに、私は深く頷く。


「うん、本当に大切に育てた。
みっちゃんのお母さんが私にだけは教えてくれたのと同じように、“お母さんは可哀想な女の子”だっていうことまで子ども達にちゃんと伝えて、大切に育てた。
お母さん達がどうして一緒に暮らすことが出来ないのか、その理由をちゃんとあの子達に説明をしているくらい大切に。
お姉ちゃん達みたいに美しくも強くもない私に、みっちゃんのお母さんが言ってくれていた言葉、“私もお母さんだけどあなたを産んでくれたお母さんも本当のお母さんだよ”って、“あなたには本当のお母さんが2人もいるからね、良かったね”って言って、そうやって大切に大切に育ててきた。」


私の言葉にお姉ちゃん達は凄く凄く驚いた顔になった。


「私からみっちゃんにも・・・定光にもお願いをして、美しいだけじゃなくて強い男に育てて貰った。
そして私や定光だけじゃない、定光のお母さんもお父さんも当たり前のように“おばあちゃん”と“おじいちゃん”になってくれている。」


お姉ちゃん達が雇った美しくて可愛い女性社員達の中にいる定光の隣に、私から並んだ。


「お姉ちゃん達が“あ、ここにいたんだ”って気付けるような、美しくて強い男に育った4人の男が、家でお姉ちゃん達の・・・お母さん達の帰りを待ってるよ?
4人も男の子を産んで良かったね?
誰かがいない時でも必ず誰かはあの家にいるから、ゴロゴロしてるだけだけど。
でも、お姉ちゃん達からの“寂しいから何処にも行かないで”っていう言葉も、ちゃんと受け止めることが出来る男になってる。
あの子達には私だけではなく定光も、定光のお母さんもお父さんも、いっぱいの愛情をかけて育ててくれたから。
あの子達の中にある愛を“お母さん”の為にもちゃんと使うことが出来るくらいの、愛を知っている心の強い子達。」