「………」

ひ、ひい…。
あわわわわわわわ…。
それ、身に覚えがある。

わたしやん。
転校前のわたしやん。
魔術書とかそれ系の本読みまくって、片っ端から試してたころのわたしやん。

ああ〜、わたしこんなふうに見られていたのか。
キチィ。きつすぎる。

「あ、やっぱ若葉さんもひくよね?東雲、マジでヤバイよ」

わたしが言葉を失ったのを違う意味で解釈したのか、柳さんが得意げにうなずく。他のみんなも『そうそう』と同意をしめした。

「顔は結構カッコいいんだけどね。もったいなーい」
「いや、いくらカッコよくても東雲は無理!見てて痛すぎるし、寒い」
「中二病ってやつじゃね?きつ」

「……は、はは。ほんとキツイ……ね」
違う意味で。

「そんなわけだからさ、隣ってもあんま東雲と関わんない方がいーよ。アイツ、クラスみんなから浮いてるし、若葉さんも変なふうに見られちゃうよ」

「そ、そっか……わかった」

わたし、上手く笑えてるかな。
東雲くんの話だとわかっているのに自分に言われているみたい。ハート、ボッコボコです。