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「でさー、そのときミカちゃんがー…」
「あはは、ホントに?」
「ミカ、いつも変な服着てるもんな。面白ー」

「……………」

ミカちゃんって誰だろう?


「……あ、そう言えば、若葉さん横浜から来たんだよね?いーなあ、大都会じゃん」

「あ!う、うん!でも横浜駅の近く以外はそんな都会でもなくて…わたしが住んでたのは駅から遠かったから田舎だったよ」

「へー。あ、そ。
……あ、ねえねえ!それより高杉から聞いた!?あたし、めちゃ笑っちゃったんだけど!」
「きいた〜」
「あたしも〜。信じられないよね?バカみたいー」

「………………」

高杉って誰でしょうか。


(し、しんどい……)


笑顔を浮かべながら、わたしは柳さんたちについていく。
一緒に帰れることになったものの、柳さんたちは4人で固まってわたしに入れない話で盛り上がっていて、そこに遅れまいとついていく感じだ。

時折わたしに話を振ってくれるものの、すぐにまた4人で盛り上がって、なかなかわたしに入る余裕はない。


心の中でこっそりため息。


……まあ、はじめは仕方ないか。
元々の友達同士に入れてもらっている状態だもんね。
今はこうして笑って話を聞いて……そうすればそのうち馴染めて、わたしも話に入れるかもしれない。

わたしは楽しそうな4人の後ろ姿を見ながら、置いていかれないよう足を早めた。