〇英華学園(朝)
”英華学園”の看板を掲げた正門。
夏服の天野ゆき(16)、1人で登校している。
周囲の生徒は友達連れ。
女生徒1「昨日のツキ様の配信みた??」
女生徒2「見た!!まじかっこよすぎた」
ゆきの耳がピクリと反応する。
ゆき、1人で首を振ってずんずん進む。
”2ーA教室”の札。
ゆき、机に座って授業を受けている。
板書は数学。ゆきの頭上には?マーク。
チャイム。
教師「ちゃんと宿題やってこいよ~」
生徒たち、まとまって弁当を食べ始める。
ゆき、1人で座っている。
ゆき、1人で弁当を広げる。
ゆき、イヤホンをする。
ゆきM「私は友達がいない……けど」
ゆきのスマホの画面には”真夜中ツキ 雑談配信”とある。
真夜中ツキの悪戯っぽい表情のサムネ。黒王子っぽい格好。
ゆきM「私にはツキ様がいるから!なんとかなる!!」
ゆきのイヤホンに声が流れ始める。
ツキ「よう、お前ら。いい子に待ってたか」
ツキ「……ってこの挨拶あと1か月も続けないといけないの地獄なんだけど」
ゆきM「ツキ様が照れてるの何回聞いても耳が幸せ~~~」
ゆき、にやにやをこらえる。
ツキの同時視聴者数は1000人ほどの画面。
ゆきM「無名の頃からずっと応援してきたツキ様。こんなに大きなチャンネルに成長して……」
ゆき、しみじみとした表情。
空になっている弁当箱。
ゆき、イヤホンを外す。
ゆきM「今日も神だった~~帰ってもっと聞かないと」
廊下の水道。
ゆき、1人で歯磨きをしている。
蛇口を1つあけて、隣で女生徒が噂話をしている。
女生徒1「あれ、みてよ。玲央君だ」
女生徒2「ほんとだね。こっちにくるよ!!」
女生徒たちの視線の先には佐山玲央(16)がいる。けだるそうな黒髪イケメン。
玲央、歩いてこちらに近づいてきている。
女生徒1「玲央君、やっほ~」
女生徒2「元気~??」
女生徒たち、すれ違いざまに声をかける。
玲央、ちらりとみるが無視して通り過ぎる。
女生徒1「また無視されちゃったよ。硬派だねぇ」
女生徒2「玲央くん、無口だから」
ゆき、歯磨きをしながら考える。
ゆきM「無愛想なだけでは???」
ゆきM「それにしても」
玲央の横顔。
ゆきM「綺麗な顔だったな」
ゆきM「けれど、私にはツキ様がいるから」
ゆき、1人で歯磨きしながらニコニコ。
〇道路(夕)
住宅街。
ゆき、1人で下校している。
ゆきM「早く帰ってツキ様みないと!!」
ゆき、ふふんとなって早足で歩く。
雷がなって暗雲が立ち込める。
ゆき、夕立に打たれる。
ゆきM「私の人生って感じ、、」
ゆき、諦めの表情で清々しく雨に打たれている。
〇公園(夕)
ゆき、ずぶ濡れで公園の四阿にいる。
ゆきM「こういうときに限って折りたたみ傘もいれてないし」
ゆき、ハンカチで首筋を拭く。
誰かの人影。
ゆき、顔を上げるとずぶ濡れの玲央が立っている。
ゆき、あっという表情。
ゆきM「玲央君だ」
玲王、先客がいてバツが悪そうな顔になるが仕方ないので四阿に入ってくる。
ゆき、玲央、横並びで雷雲を見ている。
沈黙・・・
ゆき、玲央の横顔を見つめる。
ゆきM「本当に綺麗」
ゆき、玲央の横顔があまりにも綺麗なので勝手に照れてしまって話し始める。
ゆき「急に降り出して困っちゃうよね……ははは、、」
玲央、ちらりと見て無視する。
ゆき、肩にかけていたカバンの紐をぎゅっと握る。
ゆき、泣きそうな表情。
ゆきM「勝手に舞い上がっちゃって馬鹿みたい」
くしゅん
玲央、くしゃみをする。
ゆき、玲央の方を見る。
玲央、またくしゃみをする。
ゆき、カバンをガサゴソする。
ゆき、タオルを取り出して玲央に渡す。
ゆき「あの!よかったら使ってください!」
玲央、受け取らず怪訝そうな顔をする。
ゆき「使ってないやつです!私、朝タオルを持ってくるときたくさん掴んじゃって!いっぱい持ってきちゃうんです!ほら!」
ゆき、タオルをたくさん取り出す。
ゆき「……なーんて、、また喋りすぎちゃった、、」
ぷっ
玲央、吹き出している。
玲央、笑顔。
玲央、ゆきのタオルを1つ受け取る。
玲央「……ありがとう」
ゆき、はっとした表情。
ゆき「……ツキ様?」
横並びで見つめ合う2人。
”英華学園”の看板を掲げた正門。
夏服の天野ゆき(16)、1人で登校している。
周囲の生徒は友達連れ。
女生徒1「昨日のツキ様の配信みた??」
女生徒2「見た!!まじかっこよすぎた」
ゆきの耳がピクリと反応する。
ゆき、1人で首を振ってずんずん進む。
”2ーA教室”の札。
ゆき、机に座って授業を受けている。
板書は数学。ゆきの頭上には?マーク。
チャイム。
教師「ちゃんと宿題やってこいよ~」
生徒たち、まとまって弁当を食べ始める。
ゆき、1人で座っている。
ゆき、1人で弁当を広げる。
ゆき、イヤホンをする。
ゆきM「私は友達がいない……けど」
ゆきのスマホの画面には”真夜中ツキ 雑談配信”とある。
真夜中ツキの悪戯っぽい表情のサムネ。黒王子っぽい格好。
ゆきM「私にはツキ様がいるから!なんとかなる!!」
ゆきのイヤホンに声が流れ始める。
ツキ「よう、お前ら。いい子に待ってたか」
ツキ「……ってこの挨拶あと1か月も続けないといけないの地獄なんだけど」
ゆきM「ツキ様が照れてるの何回聞いても耳が幸せ~~~」
ゆき、にやにやをこらえる。
ツキの同時視聴者数は1000人ほどの画面。
ゆきM「無名の頃からずっと応援してきたツキ様。こんなに大きなチャンネルに成長して……」
ゆき、しみじみとした表情。
空になっている弁当箱。
ゆき、イヤホンを外す。
ゆきM「今日も神だった~~帰ってもっと聞かないと」
廊下の水道。
ゆき、1人で歯磨きをしている。
蛇口を1つあけて、隣で女生徒が噂話をしている。
女生徒1「あれ、みてよ。玲央君だ」
女生徒2「ほんとだね。こっちにくるよ!!」
女生徒たちの視線の先には佐山玲央(16)がいる。けだるそうな黒髪イケメン。
玲央、歩いてこちらに近づいてきている。
女生徒1「玲央君、やっほ~」
女生徒2「元気~??」
女生徒たち、すれ違いざまに声をかける。
玲央、ちらりとみるが無視して通り過ぎる。
女生徒1「また無視されちゃったよ。硬派だねぇ」
女生徒2「玲央くん、無口だから」
ゆき、歯磨きをしながら考える。
ゆきM「無愛想なだけでは???」
ゆきM「それにしても」
玲央の横顔。
ゆきM「綺麗な顔だったな」
ゆきM「けれど、私にはツキ様がいるから」
ゆき、1人で歯磨きしながらニコニコ。
〇道路(夕)
住宅街。
ゆき、1人で下校している。
ゆきM「早く帰ってツキ様みないと!!」
ゆき、ふふんとなって早足で歩く。
雷がなって暗雲が立ち込める。
ゆき、夕立に打たれる。
ゆきM「私の人生って感じ、、」
ゆき、諦めの表情で清々しく雨に打たれている。
〇公園(夕)
ゆき、ずぶ濡れで公園の四阿にいる。
ゆきM「こういうときに限って折りたたみ傘もいれてないし」
ゆき、ハンカチで首筋を拭く。
誰かの人影。
ゆき、顔を上げるとずぶ濡れの玲央が立っている。
ゆき、あっという表情。
ゆきM「玲央君だ」
玲王、先客がいてバツが悪そうな顔になるが仕方ないので四阿に入ってくる。
ゆき、玲央、横並びで雷雲を見ている。
沈黙・・・
ゆき、玲央の横顔を見つめる。
ゆきM「本当に綺麗」
ゆき、玲央の横顔があまりにも綺麗なので勝手に照れてしまって話し始める。
ゆき「急に降り出して困っちゃうよね……ははは、、」
玲央、ちらりと見て無視する。
ゆき、肩にかけていたカバンの紐をぎゅっと握る。
ゆき、泣きそうな表情。
ゆきM「勝手に舞い上がっちゃって馬鹿みたい」
くしゅん
玲央、くしゃみをする。
ゆき、玲央の方を見る。
玲央、またくしゃみをする。
ゆき、カバンをガサゴソする。
ゆき、タオルを取り出して玲央に渡す。
ゆき「あの!よかったら使ってください!」
玲央、受け取らず怪訝そうな顔をする。
ゆき「使ってないやつです!私、朝タオルを持ってくるときたくさん掴んじゃって!いっぱい持ってきちゃうんです!ほら!」
ゆき、タオルをたくさん取り出す。
ゆき「……なーんて、、また喋りすぎちゃった、、」
ぷっ
玲央、吹き出している。
玲央、笑顔。
玲央、ゆきのタオルを1つ受け取る。
玲央「……ありがとう」
ゆき、はっとした表情。
ゆき「……ツキ様?」
横並びで見つめ合う2人。