エメラは遠回しに真意を語り始めた。

「ずっと、貴方様を探しておりましたの。ようやく見付けたと思ったら、密猟者と戦っておられましたので」

ディアが密猟者に襲われたあの日、エメラは、その現場を目撃していたのだ。
だが、エメラの金色の瞳が、スッと黒い闇を纏ったように鈍く光った。

「わたくしが、始末致しましたわ」
「なっ……!?」

ディアが、その言葉に驚愕する。
あの時、密猟者を瀕死の重傷にまで追い込んだのは、自我を失くした自分の仕業だと思っていた。
だが、エメラの言う事が真実であるなら……

「あなたが密猟者を攻撃したのですか!?」
「その通りですわ。あれでも手加減致しましたけれども」

だが、それでもディアは罪悪感が拭えないし、エメラを責める事もできない。
エメラがやらなければ、自分も同じ事をしていたであろうから。

「ディア様。お怪我は完治されたようで、何よりですわ」
「……あなたの目的は何ですか?」

ディアは無感情で問いかける。
エメラは妖艶に微笑むと、ディアのすぐ目の前まで歩み寄る。
そして……ディアに抱きついた。


「わたくしと、結婚して下さい」