「だから気にしないでお姉ちゃんとくっついて」
「え?」
涙目で見上げてくる苺梨に、ボクは思わず呆けてしまった。
「アタシにとってセンパイもお姉ちゃんも、どっちも大好きで大切な存在なんだ。そのどっちかが不幸になんてなってほしくない」
苺梨の真剣な瞳がボクを見つめている。
「だからセンパイがお姉ちゃんを幸せにしてあげて。きっとお姉ちゃんはセンパイを幸せにしてくれるはずだから」
苺梨はそういうと、夕暮れの街を駅の方へ去って行った。
ボクはその場に立ち尽くして、何も言えずにいた。
「おい、お前ら一体どうしたんだよ」
友人の昌樹(まさき)が、休み時間にボクに詰め寄ってきた。
ここ一週間、ボクは苺梨と口を利いていない。
明らかに向こうがボクを避けてるってのもあるけど、積極的にボクも苺梨に近づこうとはしていない。
ボクと苺梨がつき合っていたことは、苺梨のあからさまな態度もあって半ば公然としたものになっていた。
そして周りはそれを温かく見守っていた…… はずだった。
「ちょっと…… ケンカしちゃって」
「ばっかやろう! そういう時はだいたい男の方が悪いんだよ。何があったかわかんねぇが、とにかくお前が謝れ!」
男の方がというより、悪いのはボクなのは間違いない。
好きでもないのにつき合ってその気にさせて、でも別に好きな人がいて。
それってもし自分がやられたら最高に切ない。
「え?」
涙目で見上げてくる苺梨に、ボクは思わず呆けてしまった。
「アタシにとってセンパイもお姉ちゃんも、どっちも大好きで大切な存在なんだ。そのどっちかが不幸になんてなってほしくない」
苺梨の真剣な瞳がボクを見つめている。
「だからセンパイがお姉ちゃんを幸せにしてあげて。きっとお姉ちゃんはセンパイを幸せにしてくれるはずだから」
苺梨はそういうと、夕暮れの街を駅の方へ去って行った。
ボクはその場に立ち尽くして、何も言えずにいた。
「おい、お前ら一体どうしたんだよ」
友人の昌樹(まさき)が、休み時間にボクに詰め寄ってきた。
ここ一週間、ボクは苺梨と口を利いていない。
明らかに向こうがボクを避けてるってのもあるけど、積極的にボクも苺梨に近づこうとはしていない。
ボクと苺梨がつき合っていたことは、苺梨のあからさまな態度もあって半ば公然としたものになっていた。
そして周りはそれを温かく見守っていた…… はずだった。
「ちょっと…… ケンカしちゃって」
「ばっかやろう! そういう時はだいたい男の方が悪いんだよ。何があったかわかんねぇが、とにかくお前が謝れ!」
男の方がというより、悪いのはボクなのは間違いない。
好きでもないのにつき合ってその気にさせて、でも別に好きな人がいて。
それってもし自分がやられたら最高に切ない。