「センパイ、お姉ちゃんのとこに行きたい?」
上目遣いに聞かれる。
正直ボクは迷った。
今から行けば、ギリギリ試合が終わる前には着ける。
優勝の瞬間をいっしょに迎えることができる。
でもボクは、苺梨の言葉と自分の罪悪感を優先することに決めた。
「ううん、苺梨が言う通り、京美先輩はきっと勝つよね。だったら全国大会の応援に行くよ」
「うん!」
そして午後も、お化け屋敷に行ってボクが腰を抜かして苺梨が大笑いしたりして、楽しく過ごした。
京美先輩が準決勝で負けて、全国大会へは進めなかったことを聞いたのは遊び疲れて帰る途中の夕方だった。
「お姉ちゃん、どうして……」
帰りの電車のホームで、苺梨はベンチに座ったまま立てなくなってしまった。
涙を落とし続ける苺梨の横で、ボクは何も言えず固まったままだ。
正直、心の中がぐちゃぐちゃでどう処理していいかわからない。
やっぱり応援しに行けばよかった。
いや、行かないと決めたのは自分だ。
まさか京美先輩が準決勝で、しかも今まで一度も負けたことのない相手に負けるなんて誰にも予想できなかったことだ。
だから仕方ない。
いや、勝負に絶対はないと言ったのはボク自身じゃないか。
苺梨がボクの言うことを聞いてくれてれば。
いや、行かないと決めたのは自分だ。
思考は堂々巡りをする。
いわゆる“悪循環”だ。
上目遣いに聞かれる。
正直ボクは迷った。
今から行けば、ギリギリ試合が終わる前には着ける。
優勝の瞬間をいっしょに迎えることができる。
でもボクは、苺梨の言葉と自分の罪悪感を優先することに決めた。
「ううん、苺梨が言う通り、京美先輩はきっと勝つよね。だったら全国大会の応援に行くよ」
「うん!」
そして午後も、お化け屋敷に行ってボクが腰を抜かして苺梨が大笑いしたりして、楽しく過ごした。
京美先輩が準決勝で負けて、全国大会へは進めなかったことを聞いたのは遊び疲れて帰る途中の夕方だった。
「お姉ちゃん、どうして……」
帰りの電車のホームで、苺梨はベンチに座ったまま立てなくなってしまった。
涙を落とし続ける苺梨の横で、ボクは何も言えず固まったままだ。
正直、心の中がぐちゃぐちゃでどう処理していいかわからない。
やっぱり応援しに行けばよかった。
いや、行かないと決めたのは自分だ。
まさか京美先輩が準決勝で、しかも今まで一度も負けたことのない相手に負けるなんて誰にも予想できなかったことだ。
だから仕方ない。
いや、勝負に絶対はないと言ったのはボク自身じゃないか。
苺梨がボクの言うことを聞いてくれてれば。
いや、行かないと決めたのは自分だ。
思考は堂々巡りをする。
いわゆる“悪循環”だ。