車に乗って移動し、マンションの一室に連れてこられた。
これは犯されるのだろうか?
それとも売り飛ばされる?
逃げたいのに全然腰を離してくれない。
ガダガタと震える身体。
「大丈夫。素直に質問に答えてくれるだけでいいから...ね?」
と、労るような優しい声で私をベッドへと誘導する。
震えは止まらない。
「落ち着いて?じゃあまず一つ目の質問。恋人はいる?」
「い、いません。」
「そっか、よかった。殺さずにすむね。」
ひっ!!殺さずにって!!
「じゃ次の質問。君は処女?」
一瞬偽りたかったがヤクザ?くんの眼力が強すぎて嘘をつけなかった。
「~~っ!?は、はい。」
「そっか、そっかー!よかった!俺の天使ちゃんまだ処女かー!」
「じゃあ、最後の質問ね?俺と結婚する?」
「へっ?」
なんだ?幻聴か?
「あ、あの?何て言いました?」
「だから、俺と結婚する?」
「結婚?」
「そ、結婚。」
「いやいやいや、待って下さい!結婚は無理です。」
「んー?無理?何で?」
「え、いや、その、結婚は好きな人とするものですし…あなたのことなにも知らないですし、なによりあなたも、私のことなにも知らないですよね?」
「んー?天使ちゃんのこと。知ってるよ?調べたから。」
「調べた…って、な、何を!?」
「いろいろだよ。その上で結婚しようっていってるの。」
「で、でもわ、私はあなたのこと知りませんし…。」
「これから、知ればいいよ。そんな夫婦もありじゃない?」
「でも、まぁ、無理にとは言わない。結婚したら君を守ってあげるのが簡単だとおもっただけだから。」
「ま、守る?」
「ほら、君、最初の夜に俺と一緒にいたとこ見られてるだろ?
普通に狙われてるよ?」
「……。」
「警察いっても無駄だよ?」
「……。」
「まぁ、俺の天使ちゃんじゃないなら死んでも構わないかなぁ?」
「……。」
「さぁ、ここが運命の分かれ目だ。俺と結婚する?ここから出て行く?どうする??」
選択を迫る彼は実ににこやかに返答を待っている。
運命の選択は実質一択。
くそーーー!!それもこれもあんな時間に甦らせた神様(仮)のせいだーーーー!!
今度死んだとき覚えてろーーーー!!!