その頃、魔界の学校、校門前では。
いてもたってもいられない様子のコランを見て、魔王はニヤリと笑った。
「よし、息子。ここで抜き打ちテストだ」
「え、突然なんだよ、父ちゃん?」
「真菜に会いたいなら、自分の力で何とかしろ」
「自分の力?」
真菜に会うための力といえば、魔法しか思い付かない。
だが、コランには転移魔法が使えるほどの魔力はない。
「でもオレ、そんな魔法……」
「そんな弱気じゃ魔王になれねえぞ。お前は跡継ぎなんだからな」
コランは、ハッとして目を見開く。
魔王のその言葉は、コランを跡継ぎに認める、という意味だ。
いや最初から、コランを跡継ぎとして決めていたのだ。
コランは、魔王はアイリを継がせると思っていたので驚いた。
「でも、アイリは……?」
コランがアイリを見ると、ニッコリと笑い返してきた。
「私の夢は、魔王じゃないよ。ディアのお嫁さん、なの……」
そう言って、アイリは頬を赤く染めた。照れる仕草もアヤメとそっくりだ。
アイリがいつも『人間になりたい』と言っていた、もう1つの理由。
自分は魔王を目指すつもりはない、という主張であり、気遣いなのだ。
アイリはずっと、魔王を目指すコランが好きで、応援しているのだ。
次に、コランはレイトの方を見る。
「僕の夢は、魔王の側近だよ。その時は王子が魔王になってるかもね」
そう言って笑う。有能な側近のレイトと一緒なら、魔王になっても困らなさそうだ。
最後に、魔王がコランの背中を押した。
「お前には魔力がないんじゃない、目覚めてないだけだ」
真菜が魔力に目覚めたように、コランも秘めた魔力を目覚めさせる事ができるはず。
コランは1度、大きく深呼吸をする。
「お兄ちゃん、がんばって」
「王子ならできるよ」
「息子よ、力を目覚めさせろ!」
それぞれの声援を受けて、コランは目を閉じて念じた。
真菜を引き寄せるイメージ。
『真菜に会いたい』
それだけを思って、自分の中の魔力を最大限に増幅させて放出する。
いてもたってもいられない様子のコランを見て、魔王はニヤリと笑った。
「よし、息子。ここで抜き打ちテストだ」
「え、突然なんだよ、父ちゃん?」
「真菜に会いたいなら、自分の力で何とかしろ」
「自分の力?」
真菜に会うための力といえば、魔法しか思い付かない。
だが、コランには転移魔法が使えるほどの魔力はない。
「でもオレ、そんな魔法……」
「そんな弱気じゃ魔王になれねえぞ。お前は跡継ぎなんだからな」
コランは、ハッとして目を見開く。
魔王のその言葉は、コランを跡継ぎに認める、という意味だ。
いや最初から、コランを跡継ぎとして決めていたのだ。
コランは、魔王はアイリを継がせると思っていたので驚いた。
「でも、アイリは……?」
コランがアイリを見ると、ニッコリと笑い返してきた。
「私の夢は、魔王じゃないよ。ディアのお嫁さん、なの……」
そう言って、アイリは頬を赤く染めた。照れる仕草もアヤメとそっくりだ。
アイリがいつも『人間になりたい』と言っていた、もう1つの理由。
自分は魔王を目指すつもりはない、という主張であり、気遣いなのだ。
アイリはずっと、魔王を目指すコランが好きで、応援しているのだ。
次に、コランはレイトの方を見る。
「僕の夢は、魔王の側近だよ。その時は王子が魔王になってるかもね」
そう言って笑う。有能な側近のレイトと一緒なら、魔王になっても困らなさそうだ。
最後に、魔王がコランの背中を押した。
「お前には魔力がないんじゃない、目覚めてないだけだ」
真菜が魔力に目覚めたように、コランも秘めた魔力を目覚めさせる事ができるはず。
コランは1度、大きく深呼吸をする。
「お兄ちゃん、がんばって」
「王子ならできるよ」
「息子よ、力を目覚めさせろ!」
それぞれの声援を受けて、コランは目を閉じて念じた。
真菜を引き寄せるイメージ。
『真菜に会いたい』
それだけを思って、自分の中の魔力を最大限に増幅させて放出する。