そして次の競技『大玉ころがし』も、とんでもない物だった。
直径2メートルはある黒光りする玉を、一人でゴールまで転がすのだ。
「よーい、始め!!」
真菜は、その玉に触れた瞬間に感じた冷たさで確信した。
(これ……絶対に鉄球だ……)
少し押しただけではピクリとも動かない。
だが周りを見ると、みんな普通に転がしている。
おそらくこれも、手に魔力を込めて転がす競技だろう。
その時、真菜の横をアイリが通り過ぎた。
「真菜ちゃんなら絶対にできるから、がんばって」
そう言ってアイリは、巨大な黒い鉄球を両手で押して転がしながら先へと進む。
あんなに小さな体なのに、鉄球をも転がす強大な魔力。
(アイリちゃん……やっぱりカッコいい……)
感心している場合ではない。真菜も鉄球に両手を突いて気合いを入れる。
「お願い、ファイヤーーッ!!」
すっかりクセになってしまった掛け声と同時に、真菜は全力で鉄球を押した。
すると鉄球が真菜の手から離れて、ものすごいスピードで転がっていった。
「……え?」
まるで、紙でできた玉を押したような軽い感触だったのに……
ボーリングの玉のようにスルリと手から離れ、真直ぐ転がっていった。
凄まじい速度でゴロゴロと音を立てながら、鉄球はゴール地点に立つ魔王に向かっていく。
真菜は叫んだ。
「魔王先生、あぶなーーーい!!」
魔王は一瞬驚くが、魔力を込めた片手で軽々と鉄球を受け止めた。
「真菜!!勢いはいいが、手から離すのは反則だ!!」
そんな魔王の怒号は、真菜の耳には届いていない。
真菜は、自分の中に秘めらている未知なる魔力に戸惑っていた。
(これって、私も……?)
魔力はあるが、コントロールができない。
それはまるで、コランやアイリと同じだと真菜は気付いた。
一体、自分の中で何が起きているんだろうか……と。
直径2メートルはある黒光りする玉を、一人でゴールまで転がすのだ。
「よーい、始め!!」
真菜は、その玉に触れた瞬間に感じた冷たさで確信した。
(これ……絶対に鉄球だ……)
少し押しただけではピクリとも動かない。
だが周りを見ると、みんな普通に転がしている。
おそらくこれも、手に魔力を込めて転がす競技だろう。
その時、真菜の横をアイリが通り過ぎた。
「真菜ちゃんなら絶対にできるから、がんばって」
そう言ってアイリは、巨大な黒い鉄球を両手で押して転がしながら先へと進む。
あんなに小さな体なのに、鉄球をも転がす強大な魔力。
(アイリちゃん……やっぱりカッコいい……)
感心している場合ではない。真菜も鉄球に両手を突いて気合いを入れる。
「お願い、ファイヤーーッ!!」
すっかりクセになってしまった掛け声と同時に、真菜は全力で鉄球を押した。
すると鉄球が真菜の手から離れて、ものすごいスピードで転がっていった。
「……え?」
まるで、紙でできた玉を押したような軽い感触だったのに……
ボーリングの玉のようにスルリと手から離れ、真直ぐ転がっていった。
凄まじい速度でゴロゴロと音を立てながら、鉄球はゴール地点に立つ魔王に向かっていく。
真菜は叫んだ。
「魔王先生、あぶなーーーい!!」
魔王は一瞬驚くが、魔力を込めた片手で軽々と鉄球を受け止めた。
「真菜!!勢いはいいが、手から離すのは反則だ!!」
そんな魔王の怒号は、真菜の耳には届いていない。
真菜は、自分の中に秘めらている未知なる魔力に戸惑っていた。
(これって、私も……?)
魔力はあるが、コントロールができない。
それはまるで、コランやアイリと同じだと真菜は気付いた。
一体、自分の中で何が起きているんだろうか……と。