その後は何事もなく、二人を乗せたディアは目的地の海へと辿り着いた。
海岸の砂浜にディアは着地した。
海岸周辺には誰もいないので、やはり貸し切りなのだろう。
二人はディアの背中から降りて、砂浜の上に立つ。
「わぁ……本当だ、魔界の海も青いのね……」
真菜が、遥か遠くの水平線を眺めながら感動する。
だがコランは、さっきまでの元気はどうしたのか、急に無口になった。
真菜の横に立つと、やっと重い口を開いた。
「真菜、ごめんな……」
「え、なにが?」
「やっぱりオレはダメなんだ。一人では何もできない」
さっき、真菜の協力がなければ火の魔法が成功しなかった事を気にしているのだ。
やはりコランは、自身の事となると暗い表情になる。
「真菜の生命力を吸収しないと人間界で暮らせない。真菜の魔力を借りないと魔法も使えない」
ついでに言うと、真菜に生肉を調理してもらわないと、晩ご飯も食べられない。
「え、そんなの気にしないでよ、私も気にしてないから」
「オレは気にする!!一人で一人前の悪魔にならなきゃダメなんだ!!」
コランの叫びに、真菜は言葉を返せなかった。
真菜としては生命力でも魔力でも、コランの助けになるなら協力したい。
コランは、どうして『一人』にこだわるのだろうか。
人間界で一人暮らしをして、一人前を目指して……
そこまで考えて、真菜は気付いた。
コランは自分と同じ。まるで自分を見ているようだと。
「あ、ゴメン……オレ、先に行ってるから」
コランが海とは反対方向を向いて走り出した。
そこには大きなログハウスが建っている。魔王の別荘だ。
アイリや魔王も先に到着して家の中にいるのだろう。
真菜はしばらく海岸で立ち尽くしていた。
その隣には、いつの間にか魔獣から人の姿に変身しているディアの姿があった。
海岸の砂浜にディアは着地した。
海岸周辺には誰もいないので、やはり貸し切りなのだろう。
二人はディアの背中から降りて、砂浜の上に立つ。
「わぁ……本当だ、魔界の海も青いのね……」
真菜が、遥か遠くの水平線を眺めながら感動する。
だがコランは、さっきまでの元気はどうしたのか、急に無口になった。
真菜の横に立つと、やっと重い口を開いた。
「真菜、ごめんな……」
「え、なにが?」
「やっぱりオレはダメなんだ。一人では何もできない」
さっき、真菜の協力がなければ火の魔法が成功しなかった事を気にしているのだ。
やはりコランは、自身の事となると暗い表情になる。
「真菜の生命力を吸収しないと人間界で暮らせない。真菜の魔力を借りないと魔法も使えない」
ついでに言うと、真菜に生肉を調理してもらわないと、晩ご飯も食べられない。
「え、そんなの気にしないでよ、私も気にしてないから」
「オレは気にする!!一人で一人前の悪魔にならなきゃダメなんだ!!」
コランの叫びに、真菜は言葉を返せなかった。
真菜としては生命力でも魔力でも、コランの助けになるなら協力したい。
コランは、どうして『一人』にこだわるのだろうか。
人間界で一人暮らしをして、一人前を目指して……
そこまで考えて、真菜は気付いた。
コランは自分と同じ。まるで自分を見ているようだと。
「あ、ゴメン……オレ、先に行ってるから」
コランが海とは反対方向を向いて走り出した。
そこには大きなログハウスが建っている。魔王の別荘だ。
アイリや魔王も先に到着して家の中にいるのだろう。
真菜はしばらく海岸で立ち尽くしていた。
その隣には、いつの間にか魔獣から人の姿に変身しているディアの姿があった。