「……お願い……止めて、ハル」


いくらか細い声でも、こんなに近くにいるのだから届かないわけがない。


それでも、ハルは止めてくれる気配がなかった。



「お願い、止めて」


嫌々と頭を振りながら、もう一度言ってみる。


すると、漸く唇が首筋から離れ、あたしはホッと息を吐いた。




しかし――……。



「ダメだよ、唯。止めてなんてあげない」


再びあたしの真上に来たハルの唇がそう音を紡ぎ、あたしとの距離を縮めてきた。