「大丈夫か?」 シンさんがこちらに向き直り、上から尋ねてきた。 あたしはなんとか頷こうとしたが、シンさんの肩にいきなり担ぎ上げられてしまった。 「きゃっ」 突然襲った足の浮遊感が怖くて、あたしはシンさんにしがみついた。 シンさんは気にも止めず、大股で歩きだした。 シンさんの家の中を突き進んでいることはわかったが、シンさんと向き合うように進行方向に背を向けているため、具体的にどこに向かっているのかがわからない。