類Side
何らかの理由で彼女と会えていない。
あれだけ毎日会っていた行き帰りは
1人で行くようになった。
理由を問い詰めるか悩んだが、
そこまでしたら嫌がられるかと引いてしまった。
寝起きの頭にはしんどいハイテンションが懐かしい。
会社に向かって急いで歩く人々の中にいたくなくて、
あえて階段から遠い車両をいつも選んでいた。
その日はたまたま家を出るのが遅くなってしまい
駅の改札口まで先頭集団にいた。
わざとゆっくり歩いて、
後ろにいる人達に抜かしてもらおうと思ったとき
のそのそと歩く見知った背中が遠くに見えた。