充希Side


夏休みも終わって、退職まであと4か月。

あれから彼とはたまに駅から会社まで

一緒に歩くようになった。

彼はいつもお喋りな私の話を笑って聞いてくれた。

優しい笑顔を見ていると錯覚しそうになる。

彼ともっと仲良くなりたい。

いつしかそんな思いが芽生えてしまっていた。

何か理由があったら一緒にいてくれるのだろうか。

私はある作戦を実行することにした。

「類って好きな人とかいないの?」

「急になんですか」

「もし、いなかったら、お願いがあるんだけど」

「お願いって?」

「私の好きな人(仮)になってほしいなって」