「足、やったのか?」

「うん、今日は室内だったから低いけどヒールだったの、だから余計に滑っちゃって」

「医務室で湿布もらうか」

「うん」

もう1人のカメラマンに事情を話して片付けをお願いしていた。

姫乃もごめんなさいと言って後藤くんの肩を借りた。

ヒール用のストッキングを脱ぎ湿布を貼りテーピングでとめてまたストッキングをはいた。


「病院とかは?」

「大丈夫」

「そろそろメシでもと思ってたけど治ってからの方がいいな」

「うん、そうだね……あっ」

「どうした?」

「右足だ…車…」

「あー、タクシーで送ろうか?」

「いいよ、1人で帰れる、社食までは肩貸してよ」

「おう」

社食に入ると入り口から近い場所に座った。

「何にする?」

「唐揚げ〜」

しばらくすると後藤は2つの唐揚げ定食を持ってきてくれた。

「ありがとう、やっぱりこれだね〜」

いただきますと食べ始めた。

「何で後藤くんが子供に懐かれてんのよ〜」

「さぁ、でも可愛いよな、子供って」

「そうねぇ、大変だけど私、子供には慣れてると思ってたんだよね、下に妹とかいて世話してきてたのにな」

「急に走ったし、ヒールだったからだよ」

「…うん」