あまり太志さんの生活に入らないように気をつけなきゃ…

今は嫌われたくない…

尽くすのも違う…



夕方、太志からLINEが入ってきた。

夕食を一緒に食べようということだった。

もちろんOKをして支度をして待っていた。

下に着いたとLINEが入り姫乃は急いで駐車場に行った。

「お疲れ様です」

「お待たせ」

「忙しかったですか?」

「そうでもない、今日は会長、俺の父親な、もいたし」

太志は助手席のドアを開けてくれた。

お邪魔しますと姫乃は乗り込む。

「配達が太志さんに変わったじゃない?」

「あぁ」

「普通に従業員と思ってた、なんならバイトを雇ったのかと、最初の夜と違いすぎて(笑)」

「服は仕事すると汚れるからな、ラフな格好になるんだよ」

「まさか『宮乃』の人とは…」

今日は少し時間があるから話そうと思ったんだと言ってくれた。

いつかはそういう時はくる。

「個室がいいか?何かアレルギーとかは?」

「あー、アレルギーじゃないけど食べれないものがあります」

「俺もあるけど何?」

「引かないでね、刺身、生魚ね……」

「うわっ……俺も」

姫乃は目をまんまるくして太志を見た。

「本当?」

「マジ」

「私、刺身食べられない人初めて会ったかも」

「俺は1人会ったことがあるかな、食の好みも合うのかよ、参ったな」