「水曜日にもし送ってくれるとして……太志さんは明日は泊まってくれるの?朝だけ送ってくれるの?今日の夜は?」

「さぁ、今日次第かなぁ」

「ん?」

今日次第って?

姫乃は太志さんが何を言ってるのか理解不能だった。

時刻は0時をまわっていた。

姫乃は冷蔵庫から飲み物を何本か出してきて太志さんに選んでもらうと水がいいと言った。

他のを冷蔵庫に片付けに行くと部屋から声がした。

「なぁ、この部屋って防音?」

姫乃は部屋に戻った。

「そうよ、よくわかったね」

「何か壁が変というか…床とか窓?これは姫乃の可愛い声を外に漏らさないようにするため?」

「違うよ(笑)この部屋に来たのは太志さんが初めてだもん」

「じゃあ何で?」

「この部屋は私が大学の時にバイトをしていた先輩が住んでいた部屋なんです、その人はバンドをやっていて防音にしてたんですよ」

「バンドねぇ」

「駐車場込みの家賃だったんで有難かったんですよね、会社の方も月で駐車場料金がいるし、ちょうど仕事が決まったタイミングで引っ越すっていうから借りたんです」

「ふーん、結果的に姫乃の声を我慢させずに聞ける訳か、ほらこっちに来い」