「あと、あまり、狭いのが…圧迫感が得意じゃないんです、大学の時失敗だったなって、でもお金なかったから仕方なくて」
「へぇ」
給料はほぼ家賃に消えますねと説明をした。
太志はベッドの上に座った。
「ベッドもシングルじゃないんだな」
「これは単純に寝相が悪くて(笑)」
そうかと太志さんは笑っていた。
明日車を取りに行かなくちゃと言いながら薄手のカーディガンを脱ぐとすぐ出るからシャワーしてくると姫乃は浴室へ行った。
あっ、しまった。
姫乃はいつものように浴室に来てしまい着替えを持ってくるのを忘れていた。
まあいいか…
姫乃はバスタオルを巻いて浴室から出てきた。
「姫乃は明日は何か車を使う用事はあるのか?」
「明日はまだ予定はないけど…」
「明日じゃなくて明後日でいいなら朝に会社まで車で送ってやろうか?」
「え?でも…お店…」
「店に出る方が朝がゆっくりなんだよ」
「あー、そっか、10時にはいつもビルに来てるもんね」
「あぁ、その前に1件まわってからKOGUMAだしな」
「うーん」
「俺に迷惑かけるとかは全く思わなくていい、俺が言い出した事だ」
確かに明日に車を使う用がなければすごく助かる。