「あっ、三次会行きます?」

「行かねー」

「じゃあ、お疲れ様でした」

その場で解散となったのだった。



「姫乃、だいぶ、呑んだ?」

「呑みました、へへっ、会えて嬉しい」

カラオケでは呑んでないですけどと報告した。

「今日はお客も少なくて事務処理もスムーズに終わったからな、姫乃が明日休みだと思って連絡してみた」

うわっ、嬉しい…

「私の事を思い出してくれただけで満足です」

「本当か?」

「嘘です、会えたからです(笑)」

「もうひと声は?」

「うーんと……うちに来ませんか?……言っちゃった(笑)」

「よし、行こう」

太志さんは肩に回していた手を姫乃のほっぺたをふにっとつまみ可愛いやつと言った。

「へへっ」

車をパーキングに停めていた太志さんは料金払ってくるから乗ってろと黒のレクサスの鍵を開けてくれた。

お邪魔しますねと助手席に乗る。

さすが座席のクッションも違うなぁ…

新車の匂いがする。

太志が戻ってくると姫乃は財布をだした。

「今日は迎えに来てくれたから……」

「姫乃、俺といる時は俺が出すって言ったよな?」

「……はい」