「私、好きな人がいる人には応援したくなるんですよね、おせっかいとよく言われるんですけど」

「ほっといてくれていいから」

全く20歳の子に俺の何がわかるんだよ。

同じ班でその中でも一緒の仕事が1番多いのにそんな簡単じゃないんだよ。

筒井達みたいに呑みの勢いでとか無理だし。

振られたら仕事でギクシャクするのは嫌なんだよ。

田辺さんはトイレに行ってきまーすと席を立った。

やっと離れてくれた。


歌を楽しそうに歌っている姫乃を後藤はずっと見ていた。

歌い終わるとそのまま後藤の隣の席に座る。

当然深い意味はなくて、飲み物が置いてあるからだ。

姫乃は鞄からスマホを出して見ると部屋から出て行った。

太志さんだ!

“仕事終わった“

“お疲れ様です、今○○のカラオケ店です、歓迎会の二次会で来てます“

“そろそろ終わりますよ、って言うかもう帰りたいくらい(笑)“

“じゃあ風呂入ったら迎えに行こうか?疲れてるなら別の日にするけど会う?“

“えっ、もちろん会いたいです“

“じゃあ着いたら連絡する“



やったー、今日も会える!

時間を作ってくれるのが嬉しいな…

だってこの時間まで仕事してたのに、私は二次会の時間だよ?