「西さんて彼氏いないんじゃなかったですか?」
「彼氏はいないけど……」
太志さんは彼氏ではまだないよね…
セフレではない微妙な関係は太志さんしかわからない。
「どういうことですか?」
「別に深い意味はないけど、まあ年齢的に結婚も考えないこともないってだけよ、私の事はどうでも良くない?」
「知りたいですよね、後藤さん」
「まあ……」
「うーん、結婚しても仕事はしたいかなとは思うかな」
「はぁ、考えるってそういう事ですか?」
「仕事と家庭は両立したいかな〜ん?そういう事じゃないの?」
「聞きたいのはお相手の方です!」
「それは教えられないかな(笑)」
姫乃はそう言うとまた歌いに行った。
「ちょっと!後藤さん」
「何だよ」
「西さんの事好きですよね?」
「ちょっ、声がでかい」
「見てたらわかります」
「俺、態度に出てる?」
「後藤さんと話して西さんにヤキモチ妬かせようと思って話してたのにー」
「同僚だと思われてるからな」
「ご飯とか行ってるんですよね?」
「まぁ…」
ビールをチビチビと飲む。
何で新人に言われなきゃいけねーんだよ、くっそ…