次の日の朝、今日は田辺さんの歓迎会だ。

一応着替えを入れて車で通勤した。

昨日もらったサンプルで1番明るい色をつけて行くとみんなからは好評だったが田辺さんには

「赤い口紅は私の周りではいないですね、新鮮ですね」と言われた。

オバサンと遠回しに言われているのだろうか。

まあ5つも違うから田辺さんから見たらオバサンなのかな…

まあ田辺さんは好きにさせておこう…


夕方、後藤くんが定時に終わる?と聞いてきた。

そう言えば幹事を一緒にと言われていたのをすっかり忘れていた。

田辺さんに聞くことは聞いたのですっかり自分の役目は終わったものと思っていた。

大丈夫よと答えた。


「ちょっと店を手伝わないといけなくて…」

「どういうこと?」

話を聞くと今日のお店『松野』という鮨屋さんはどうやら後藤くんのお父さんのお店だと言うのだ。

今日は定休日で従業員は休み、後藤くんが手伝う条件で貸切で料理を作ってくれるらしい。

姫乃は急いで着替えて後藤と一緒に電車に乗り込んだ。

「急だったからさ、定休日も多くて10人も入れる部屋で鮨ってなったらさ、それならうちでって親父に頼んだんだよ」