「私の家は凄い田舎で母親のを着ましたね、田舎はそういうのは多くてその時は何とも思わなかったんですけど、KOGUMAの着物のラインナップを見た時は衝撃でしたね(笑)」
「そうね、アップデートしていかなきゃね、私も若い人の意見が聞きたくて課長と話して今年は西さんを連れていく事にしたのよ」
「そうだったんですね、どうして私なんだろうって思ってました」
「3人で迷ってたんだけどね…」
「私が1番後輩ですよね」
「そうね、でもお客様からの評価もいいからそれが1番ね」
そうだったんだ…
「嬉しいです!」
『宮乃』に到着すると「いらっしゃいませ」と着物を着た従業員が出迎えてくれた。
店に入ると新作の振袖が何着も飾られていた。
「凄い数…」
バッグとかの小物もたくさん置いてある。
「うわぁ、可愛い〜」
姫乃は小物の桜の花びらをあしらったバッグに目がいった。
草履もお揃いだ。
バッグと草履はセットになっていることが多い。
これにどんな着物を合わせたら似合うんだろう。
「これが気になるのか?」
えっ?
後ろから聞こえたのは太志さんの声。
姫乃が振り返ると着物姿で立っているのだ。