姫乃はスマホのLINEのQRコードを太志の前に出した。

「今日の1時間でも嬉しいです、仕事が終わってからでも会ってもらえませんか?」

「いいのか?」

「はい!」

太志はズボンの後ろポケットからスマホを出した。

「お互い無理はしない会い方をしましょう」

姫乃はニコッと笑った。

「1時間じゃ姫乃を1回しか抱けないじゃないか」

「そ、それは、あの、えと…」

「ふっ、冗談だよ」

「え、冗談?もう、恥ずかしいです」

そろそろ戻ろうと太志さんが立ち上がったので、姫乃は服をパンパンと叩いて汚れを落とした。

「気にしなくていいよ、半袖で充分だから」

「ありがとうございます」

2人で車に戻るとティッシュBOXが目に入り、1枚もらってもいいですか?と太志さんに尋ねた。

「唐揚げ食べたら口唇がテカテカになるんで(笑)」

ティッシュを半分に折り口唇に挟んだ。

「姫乃」

「ふぁい?」

姫乃は横を向くと挟んでいたティッシュを外されて顎を持たれた。

「え?」

太志さんの顔が近づいてきて舌が入りディープキスをしてくる。

「んっ、んっ…」

太志はキスをやめるとティッシュで拭いてくれた。

「っ…ズルい、こんなのされると午後から仕事にならないです…」