馬鹿だ私、太志さんにまた会いたいと思ってしまっている。
きっとモテる太志さんはワンナイトのつもりなんだろうってわかっているのに…
布団の中にいると手が伸びてきて子供を抱えるようにひょいっと脇を抱えられて布団から出され、太志さんの太ももの上に乗せられた。
「そういう教えたくないとかじゃなくて、俺、今休みがなくて…」
「えっ?」
「説明がちょっと複雑で返事が出来なかっただけ」
太志は姫乃を軽く抱きしめてくれた。
大きな太志の中にスポッと入る。
子供扱いされているようだが何か嬉しかった。
「今の仕事は水曜日と日曜日が休みなんだが別の仕事が入っていて助っ人というか…」
「それは大変ですね」
副業とかかな?
「まあ、仕方ないんだが…大変だけど仕事は好きだよ」
「あの、太志さん」
「ん?」
「私…こんなこと自分から言ったことないんですけど、また会えますか?」
姫乃は太志の腕の中から顔をしっかりと上げて目を見て言った。
今まで告白も自分からはしたことはなく受け身だった姫乃。
太志に会ってからはドキドキが止まらないのだ。
「太志さんが一夜限りの相手を探していたのはわかるんですけど、その……会いたいんです、駄目ですか?」