来てたんなら姫乃も紹介してくれても良かったのにねと満里絵は言った。

「まあ…な」

「後藤、どうした?」

「いや、何か西が別人みたいで…ちょっと…女の部分を見たというか…」

筒井と満里絵は顔を見合わせた。

「アルコールが入ってるのもあると思うけど自分から抱きついていくなんてよっぽど好きなんだね」

「旦那さんに牽制かけられたんだよ、俺の嫁って」

「そうか…」


「そろそろ帰る?ダーツ空かないし」

満里絵が言うと3人は席を立った。

筒井が財布を出すとマスターに言われた。

「宮野様からお支払いいただいてます」

「えっ」

3人は顔を見合わせた。

「ありがとうございました」とマスターは頭を下げた。

3人は店を出た。

「やっぱり旦那さんだったんだな」

「そうね、老舗呉服店『宮乃』の御曹司ね」

「敵わないや…」