鞄からシュシュを取り出すとお団子にして急いで浴室に行った。
「緊張する…」
あんなかっこいい人と私は今からスルの?
しばらくご無沙汰なのにうまくできるかな
呆れられないかな、経験少なくて…
姫乃はバスローブを着てシュシュを外すと浴室から出た。
「ごめんなさい、お待たせしました」
「あ、あぁ、すぐ戻る」
バスローブなんて初めて着たけど合ってるよね。
姫乃は待っている間にバスローブの着方を調べていた。
合ってる…合ってる…
着ていた服をきちんとたたみ鞄の横に置いた。
彼がバスルームから出てくると電話をしていてしばらくするとコンコンとノックがあり、ルームサービスが届いた。
シャンパンとおつまみがあり、グラスについでくれてもうすぐ誕生日の君に乾杯と頼んでくれたのだった。
「いただきます…んっ、美味しいです」
「少し軽めのシャンパンにしたよ、早くから呑んでたんだろ?」
「焼き鳥を食べてから、あのBARに行きました、あの…下のお名前を聞いてもいいですか?」
「太志(たいし)」
「太志さんはよくあのBARに行かれるんですか?」
「仕事が忙しくて久しぶりだったかな、マスターが友達でね」
あの広いBARにはバーテンダーが2人いた。
エンジェルキッスを作ってくれた方がお友達と話してくれた。
「へぇ、お友達ですか、私は初めて行きました、スポーツBARって言うんですかね、賑やかでした」
空になったグラスにシャンパンを注いでくれた。